会葬者の心得
 
●会葬とは
葬式に参列して、弔意を表すことです。
弔意とは人の死を悲しみいたむ気持ちです。
 
●通夜とは?
通夜は主に近親者や故人と特に親しい関係にあった方々が集まり、故人の冥福を祈り、別れを惜しむことです。
本来は、遺体を汚れたものとして人目の届かぬところに移したうえ、近親者や友人が悪霊や野獣、風水害などで遺体が侵されぬように夜を通じて守ったことに始まったとされています。神式では「みたま移し」、キリスト教では「前夜祭」と呼び、地域の習俗に応じても形式はいちじるしく異なります。
 
●告別式とは?
本来、葬儀とは僧侶の読経で死者があの世に導かれ、遺族、近親者など、故人と特に親しかった人々がその成仏を祈るものであり、告別式は一般の友人、知人らも参列するものと、それぞれに別の意味をもつものでしたが、最近では並行して行われることが多くなりました。
いずれにしろ、会葬してくださる方に失礼がなく、そして故人にふさわしい演出も含めて、遺族の意志を十分に理解していただくことが大切です。
 
●参列のこころえ
会葬者は、まず身心を整え、清めければならない。参列する服装を整えたら、自宅を出る前に、ご本尊さまにお香をお供えし、故人の冥福を祈るとともに、身心を清める。
 次に服装のことだが、喪主は正式、葬儀委員長や親族等は正式か準喪服、世話人等は略式・平服でも非礼ではないが、喪章(洋服の場合は腕に黒い布を巻き、和服の場合は黒いイチョウ型のリボンを左の胸に着ける)を使用する。
 一般会葬者は、準喪服・略式・平服、いずれでもいいが、平服の場合は悲しみを着るという気持を表わすため、靴・ネクタイは黒を用いる。もちろん、肌着・靴下など目に見えないものも、新しいものか、洗濯済みの清潔なものに替えたい。
 葬儀・告別式は、一定の時間内にきちんと執行されるので、とくに時間厳守が肝要である。時刻におくれて到着し、読経が始まってから着席することのないよう、予定時刻より早目(20分位前)に到着するよう配慮しなければならない。一般会葬者の場合は、告別式の時間中にお焼香を済ませればよいわけだが、できれば定刻には到着するよう心掛けたいものである。また、やむをえない用務で終了まで参列できないこともあるが、その場合には焼香が済んだら目立たない後席に移り、時刻をみて静かに退出しよう。
 
●受付にて
葬儀・告別式の会場は、自宅・菩提寺・葬祭場などで行われる。いずれの場合でも会場入口近くに受付が設けられる。
 一般会葬者は係の人に一礼し、「この度は誠にご不幸なことで……」など簡単なお悔みを述べ、香典を差し出し、次に、会葬者名簿に記帳する。香・ローソクなど簡単な供え物を持参した場合は受付に渡す。
 告別式には、なるべく軽装で臨むが、帽子・えり巻・オーバーコート・バッグ・傘などは荷物預り係に手渡す。式場ではすべて係の人の案内または指示に従いたい。
 
●式場内で
式場では静粛を旨とし万事控え目に。遺族への挨拶、知り合いとの挨拶も目礼にとどめ、私語も極力謹みたい。とくに高声は厳禁である。
 
●焼香について
会葬者は献香・焼香は焼香のみ行う。霊前でする場合には、献香、焼香の順で行う。
 献香は線香立より右手で一本取り出し・ローソクの火で点火し、左右の親指・人指し指・中指で奉持し、額の前で拈(ねん)じ(指圧をゆるやか加え、供養の真心を香に托す)右手で炉中に奥の方から垂直に立てる。
 次に焼香だが、香は右手の親指・人指し指・中指でつまみ、額に押しいただいてから香炉に投ずる(これを主香または第一香という)。次に再び香をつまみ、こんどは額にいただかず、水平に指を移動させ香炉の中に投ずる(これを従香または添香・第二香という)。
 香は仏・法・僧の三宝に三回献ずるのが正式だが、普通は、三位一体の気持で主香・従香合わせて一回でよい。焼香に用いる抹香は、香炉にあらかじめ用意してある香を用いるが、普通、備え付けの香は、お世辞にも上質の香とはいえない。霊前で焼香する方々だけでも、持参した上質の香をあげたいものである。
 焼香には時間を要するので、あらかじめ定められた方々だけ霊前で献香・焼香し、他の方々は自席で焼香する。この場合、上席より順次香炉廻す(これを廻し焼香という)。
 霊前での献香・焼香の順位は、司会者の指示に従う。自分の番がきたら、席より静かに立ち、導師の僧・喪主に一礼して霊前に進み、正座・合掌低頭・献香・焼香の順で行う。終わって合掌低頭し、次の方と替わり帰席する(以上は座礼)。
 
●告別式の焼香
ここでは、一般会葬者の焼香について述べよう。自宅・菩提寺・葬祭場等、いずれの場合でも座礼は長時間を要するので、一般会葬者の焼香は立礼により、霊前正面に設けられた焼香台で行う。焼香の順位は、とくに定められていないのが通例である。したがって到着順ということになるが、告別式のはじめに司会者より順位の指示が行われることもある。その場合は、焼香者の読みあげがすべて終わってから一般焼香者の順となる。
 焼香者は、自席を離れ、焼香台の一歩手前で止まり、導師の僧・喪主に一礼、一歩進んで焼香台の前に立ち、合掌低頭、焼香が終わったらまた合掌低頭、側方に移り、退出する。
 
●告別式後のこと
 密葬のあとの本葬の場合には、すでに故人は遺骨となっているので、出棺の儀は行われないが、告別式のあと、出棺の儀式がある場合には、やむをえぬ事情がある場合を除き、所定の場所で待機し、遺族代表その他のご挨拶を受け、故人の冥福を祈りながら、合掌して霊枢車が視界から去るまでお見送りしよう。
 会葬者のなかで、定められた方々だけが指定された自動車に分乗し、火葬場におもむき、荼毘式(だびしき=納めの式)・収骨式に参列する。
 霊枢車の去ったあと、式場で会った知人等に挨拶することは当然だが、その際でも大声で話しあったり、笑い声などをたててはならない。とくに長い立話は禁物。話が長引びくようなら、場所をかえてするべきである。
 
●香典について
香典袋にはフルネームを書き、そして金額と住所も忘れずに。また表書きは故人の宗教に合わせます。
仏式では「御霊前」「御香典」。神式では「御玉串料」「御神饌料」。キリスト教のカトリックでは「御ミサ料」。プロテスタントでは「御花料」。宗教がわからない場合は、共通してつかえる「御霊前」が良いでしょう。
香典は袱紗(ふくさ)に包んで持参します。
 
●香典について〜香典の連名〜
順番は目上の人が右で、表書きに書く名前は3人までとします。4人以上の場合は「○○課一同」などと書き、全員の名前を書いた紙を同封します。
 
●会葬のマナー
●抹香をたく(焼香について)
通常は3回。
浄土真宗本願寺派(西)は1回。
浄土真宗大谷派(東)は2回。
@祭壇に一礼して指先で抹香をつまみ上げ軽く頭を下げる。
A抹香を香炉に静かにくべる。
B合掌して冥福を祈る。
●線香をたく
浄土真宗の場合は線香は立てないで横にする。
@祭壇に一礼して線香に火をつけ、手であおいで消す。
A線香立てに立て、鈴(リン)を鳴らす。
B合掌して冥福を祈り、深く一礼する。